<校舎のない学校からのメッセージ>
いつもかんがえることがあります。もし、お箸の使い方を教科書で学んでいたら私たちは上手にお箸を使用できるか、を。きっと、あまりの難しさに箸を放り投げて手掴みでご飯を食べてしまうかもしれません。
福祉という「障がいと生活の関連」や保険・医療という「健康と生活の関連」を学ぶとき、障がいを持った人の生活に接する機会がなかったり、環境を学ぶとき自然の中に自分をゆっくりとおいた経験がない人は、教科書を放り投げたくなるかもしれません。
私達は大変幸運なことに、この地域に、実にさまざまな、そして良質な実践活動が存在していることに気づきました。その実践活動や地域が、実は素晴らしい教育機能を持っていると思い至ったのです。
その教育現場は、質の高いサービスを受けている認知症のおじいさんであったり、折曲がった腰で急斜面を登るために顔が今にもくっつきそうになっているおばあさんの生活であったりします。
それらの人々が生き生きと暮らしている生活の中に、自己決定を尊重する専門性があったり、人生の継続を可能にする豊かな環境があったりするのです。そして、若者たちが、大学の教授が、地域医療を目指す医師が、建築家が、一般の人々がこの「校舎のない学校」で学び、「何か」を自分の五感で感じ取り、教室では学ぶことが出来ない多くの豊かな体験をします。